怖い話実話まとめ短編51|生暖かい息、台風の日に見た腕

スポンサーリンク

生暖かい息 投稿者:50代男性

まだ小学校3年ぐらいの元気盛りの頃のお話です。

東北の田舎生まれで、学校から帰ってきても遊ぶ所と言えば、近隣の野山や川位なもので、ランドセルを玄関先に置くといつっも自転車であちこち駆け巡っておりました。

その日も、一つ学年が上の幼馴染と一緒に川の土手を林に向かって走って行きました。

何時もより奥まで来た事を、誇らしげにお互いを褒め称えた事を今でも憶えています。

しばらく辺りを散策すると、随分と目立たないような処に、祠がありました。

祠と言っても、少し大きく大人が一人入っていてもおかしくない位の大きさで、入り口は頑丈にかんぬきで閉じられ、釘で開かないようにしておりました。

腰ぐらいまである雑草を薙ぎ倒して、裏側に回ると拳大の大きさの穴が開いていて、中を見ることができました。

私も幼馴染も少し寒気を感じましたが、除いてみることにしました。

中からは、カビ臭いのか、饐えた匂いなのかわからない匂いがして、白い布のような物が見えました。

あの時は二人とも怖かったのを諭されるのが、嫌だったのでしょうか、手を入れて見る事にしましたが、結局は一つ下の私が入れる羽目になり、そっと手を穴の中に入れると、中は生暖かく空気が澱んでいるような感触でした。

何もない事で笑顔が出ると、手を引き抜こうとしたその瞬間、何か手に触れたのをはっきりと今でも思いだします。

幼馴染にいくら言っても、信じてもらえず、担ごうとしているんだろうとなじられました。

それから、少しするとあの林に道路が出来るとかで、たくさんの人や車が来るようになりました。

何日かすると、小さな小屋に女性の死体が見つかったとのことでした。その時、私は確実に誰かの生暖かい息を感じました。

台風の日に見た腕 投稿者:30代女性

子どもの頃の、台風が来ていた晩のことです。

夕方から風が強まって、深夜には雨も降り出していました。

雨が窓を叩く音が気になって眠れずにいると、カーテンの隙間から街灯に照らされた外が見えました。

そこに、細くて長い腕が見えたのです。

バン、バンという単調な音は雨の音ではなく、その腕がゆらりと振り上げられ、窓を平手で叩く音だったのです。

あの時のわたしは、なんだ、人が叩いていたのかと妙に納得してしまい、寝たままカーテンを閉めてそのまま眠りました。

しかし、当時のわたしの部屋は二階で、窓の外には人が立つ余地などありませんでした。

子供の時には違和感を感じもしなかったことも怖いですが、いわく因縁の類のない新築の家で見たあれは、一体何だったのでしょうか?

フレンドリーな霊 投稿者:20代女性

これは友人から聞いた話です。彼女は青森出身なんですが、高校生の頃に幽霊を見たって言うんですよ。

学校帰りのことです。

彼女は電車通学していて、その日も駅から降りました。

降りる人もまばらでしたが、それでも何人かが彼女と同じ方角へ歩いてきました。

分かれ道をに差し掛かると、彼女以外の人はみんなお墓のほうの道に入っていきました。

お墓以外にも建物がある道だったので、彼女は気にせず歩いていきます。

と、彼女に話しかける人が。

フレンドリーに話しかけてきますが、

『顔が半分、ヤケドで覆われている!』

そして、白い割烹着を着ていたんですって。

彼女の地域ではそんなの特別な行事くらいしか着ないんです。

みんな顔見知りの村なのに、こんな人見たことない。

それでもフレンドリーなので無碍にもできず、なんとなく話しているとその人はいつの間にかいなくなりました。

後ろを見てもいない、分かれ道を曲がっていったのかとも思ったけど、遠くまで見渡せる道のはずなのに、どっこにも人影は見えない。

帰って母親に不思議なことがあったと話すと、昔、山のあばら家に人が住んでいたんですって。

『そこのご主人がいつも白い割烹着を着ていて…でもその人、もう亡くなってるよ』

と母親は話したそうです。

ゾオォーっときましたね。話を聞いたとき。何でも当時の彼女と同じくらいの娘がいたそうなので、思わず話しかけちゃったんでしょうねぇ。

佇む女性 投稿者:60代女性

あれは私が4、5歳のころですから、もう半世紀以上も前のことになります。

むし暑い夏の夜でした。

まだ、宵の口のころです。

開けっ放しの障子の間から見える外庭は、暗い闇に包まれていました。

2歳年下の弟と私は、母が蚊帳の中に敷いてくれた布団の上で、でんくり返りをして遊んでいました。

母に「もう、やめなさい」としかられても、何度も何度もでんぐり返しを繰り返していました。

よほど楽しかったのでしょう。

そのうち、射られるような強い視線を全身に感じました。

こんな身がすくむような経験は生まれて初めてです。

私は恐る恐る顔を上げ、視線の先に目をやりました。

・・・・・・そこには梅木が植わっていて、木のそばには、見たこともない女の人が佇んでいました。

白地に藍色の模様のある浴衣を着て、黄色の帯を締めていました。

そして、私をじっと見つめているのです。

弟には女の人が見えないのでしょうか。

何事もなかったように、でんぐり返って遊んでいます。

母はそんな弟を見て、笑いながら洗濯物をたたんでいます。

私は母に知らせようと思いましたが、恐怖のあまり声が出ません。

全身が金縛りにあったかのように、硬直してしまい、動くこともできません。

女の人から目をそらすこともできないまま、長い時間がすぎました。

その後、どうなったのかはまったく記憶にありません。

ただ、このことは誰にもしゃべってはいけない、祟りのようなものがあってはいけない、と幼心に思いました。

初めて友達に話したのは、それから10年ほど経った高校性のころです。

友達は「それ、お父さんの愛人じゃない?」と、茶化しましたが、あの女の人が締めていた黄色の帯の鮮やかさが、今でもはっきり目に焼き付いています。

スポンサーリンク

下記ボタンで友達にこの記事を紹介!!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする